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技術コラム TECHNICAL COLUMN

ステンレスの切削加工

  • ステンレス

ステンレス鋼は優れた耐食性や耐熱性から、多岐にわたる用途で重宝されています。当記事では、ステンレス鋼の基本的な知識から、特に切削加工に関する詳細な情報まで幅広くお伝えします。

ステンレスとは?

ステンレス鋼とは、鉄を主成分とし、クロム、ニッケルなどの合金元素を加えて特定の性質を向上させた金属の一種です。クロム含有量が10.5%以上であることが特徴で、これにより酸化クロムの保護膜が形成され、錆や腐食に強いといった機能を持ちます。

ステンレスの特長

では、そんなステンレスの具体的な特長をまとめてみましょう。

特長①:耐食性に優れる

ステンレス鋼は、クロムの働きにより、表面に自己修復する薄い酸化クロム層を形成します。これが素材を外部の攻撃から守り、優れた耐食性を実現しています。これがステンレスの最大の特長であり、幅広い用途で用いられる理由ともいえます。

特長②:耐熱性に優れる

一部のステンレス鋼では、なんと”500℃”を超える高温にも耐える能力を持ちます。そのため、高温環境下でも、十分に利用することができる材料なのです。

特長③:強度が高い

ステンレス鋼は、通常の鉄よりも高い強度を誇ります。これにより、強度が求められる箇所であっても、問題なく使用することが可能です。

特長④:熱伝導性が低い

熱が素材を通じて伝わりにくい素材であるため、熱を局所的に保持することがあります。加工時に細心の注意が必要となりますが、具体的な用途によっては、この特性が有利に働くケースもあります。

特長⑤:難削材の1種である

上述の強度の高さと熱伝導性の低さから、ステンレス鋼は切削加工が難しい材料といえます。特に高硬度のステンレスは、工具に対する負荷が非常に大きくなります。ステンレスの切削加工には、相応の切削加工ノウハウが求められます。

ステンレスの代表的な種類と特徴

次に、ステンレスの代表的な種類とその特徴をまとめてみましょう。

マルテンサイト系ステンレス鋼(SUS403、SUS410、SUS440 等)

マルテンサイト系ステンレス鋼は、クロム量が13%程度とステンレス鋼の中ではやや少なく、炭素量が多い種類です。炭素量が多いため、他の種類より耐食性は劣りますが、硬度と耐摩耗性に優れています。

フェライト系ステンレス鋼(SUS430,SUS444 等)

マルテンサイト系のステンレスよりも、耐食性・成形性・溶接性に優れている種類です。フェライト組織が安定しているため、焼入れなどの熱処理で硬化することはありません。

オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304,SUS316 等)

オーステナイト系ステンレス鋼は、延性と靭性に優れており、プレス成形や冷間加工に適した素材といえます。熱処理によって非常に高い硬度とすることが可能です。

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(SUS329J1, SUS329J3L, SUS329J4L 等)

オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼とは、オーステナイト系とフェライト系の中間的な特性を持つ種類です。オーステナイトとフェライトそれぞれの金属組織を持ち、長所をかけ合わせたような性質を持ちます。強度と耐食性に優れ、応力腐食割れに強いといった特徴があります。

析出硬化系ステンレス鋼(SUS630、SUS631、SUS660 等)

析出硬化系ステンレス鋼とは、析出硬化を起こし、強度を向上させたステンレス鋼を指します。非常に高価であることから、使用される用途は特定されます。例えば、高い強度と耐食性が求められるエンジン部品、航空機・ロケットの部材などに使用されています。

ステンレスの切削加工が難しい理由

ステンレス鋼の切削加工が難しい主要な理由は、その硬度の高さと熱伝導性の低さにあります。加工時に発生する熱が素材に閉じ込められやすく、これが切削工具への負荷を大きくし、工具の摩耗や損傷を早めます。また、加工硬化が生じやすいため、切削中に素材が硬くなり、さらに加工が困難になります。

ステンレスの切削加工におけるポイント

ポイント①:送り速度を調整する

ステンレスは非常に硬度が高いため、刃物の送り速度に注意を払わないと、素材が熱を持ってしまいます。その結果、刃物の劣化などにつながり加工品質の低下を招いてしまいます。このような事態を防ぐためには、送り速度を調整することが有効な対策といえます。

ポイント②:刃物の交換頻度を考慮する

鉄・アルミと比較すると、ステンレスの切削加工では、切削工具の劣化がしやすい傾向にあります。そのため、刃物の交換頻度を考慮した上で、切削加工にあたりましょう。

ポイント③:専用工具を使用する

上述の通り、ステンレスは難削材の1種であるため、専用工具を用いて加工を行う必要があります。鉄などに使用される一般的な工具ですと、劣化がさらに激しく正しい加工を行うことはできません。

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金属・鋳物切削加工センター.comを運営する株式会社ヨツ葉は、創業から長年ステンレスの切削加工に携わってまいりました。その中で培ってきた技術・知見を用いることで、高精度な切削加工を迅速に行っております。ステン江rすの切削加工に関するご依頼をご検討中の方は、お気軽に金属・鋳物切削加工センター.comにお問い合わせください。