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技術コラム TECHNICAL COLUMN

ステンレスの切削加工が難しい理由

  • ステンレス

ステンレスは、その耐食性、耐久性、美観から、様々な産業分野で広く利用されている材料です。しかし、ステンレスの切削加工は、他の金属に比べて難しいとされています。これは、ステンレス特有の特性によるものです。この記事では、ステンレスの切削加工が難しい理由を詳しく解説し、加工のポイントや注意点についてご紹介します。

ステンレスの特性

ステンレスは、鉄を主成分にクロムやニッケルなどを添加した合金鋼です。クロムが表面に不動態皮膜を形成することで、優れた耐食性を発揮します。また、ニッケルの添加により、耐酸性や耐熱性が向上します。

ステンレスは、大きく分けて、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系の3種類に分類されます。それぞれの組織や成分の違いにより、機械的特性や加工性が異なります。

ステンレス加工の種類

ステンレスの加工には、様々な種類があります。

  • 切断: レーザー切断、プラズマ切断、ウォータージェット切断など
  • 切削: 旋盤加工、フライス加工、ドリリングなど
  • 曲げ: プレスブレーキ曲げ、ロール曲げなど
  • 溶接: TIG溶接、MIG溶接、レーザー溶接など
  • 接合: 接着、ろう付けなど

用途や形状、精度に応じて、適切な加工方法が選択されます。

ステンレス加工が難しい4つの理由

ステンレスの切削加工が難しい理由は、主に以下の4つです。

加工硬化

ステンレスは、加工によって硬化しやすい性質があります。これは、加工により材料内部にひずみが生じ、転位密度が増加するためです。硬化すると、切削抵抗が増加し、工具の摩耗や破損を招きやすくなります。

熱伝導率の悪さ

ステンレスは、熱伝導率が悪いため、切削時に発生する熱が工具に集中しやすくなります。これにより、工具の温度が上昇し、摩耗や破損が促進されます。また、ワークの温度上昇も、寸法精度や表面粗さに悪影響を及ぼします。

切り屑処理の難しさ

ステンレスは、粘り強いため、切削時に切り屑が長くつながりやすい傾向があります。長い切り屑は、工具に絡みついたり、ワークに傷をつけたりする可能性があります。適切な切り屑処理を行うことが、加工の安定化と品質向上に重要です。

種類による特性の違い

ステンレスは、種類によって成分や組織が異なり、機械的特性や加工性も異なります。それぞれの特性を理解し、適切な工具や加工条件を選択することが重要です。

ステンレスを加工する際に知っておくこと

ステンレスを加工する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 適切な工具の選定: ステンレスの切削加工には、超硬合金やサーメットなどの耐摩耗性に優れた工具材料が使用されます。また、工具の形状やコーティングも、加工性や仕上がり精度に影響します。
  • 切削条件の最適化: 切削速度、送り量、切込み深さなどを適切に設定することで、加工硬化や工具の摩耗を抑制し、高精度な加工を実現できます。
  • クーラントの適切な使用: クーラントは、工具の冷却、潤滑、切り屑排出を促進する役割があります。水溶性クーラントや油性クーラントなど、加工条件に合わせて適切なクーラントを選択する必要があります。
  • 加工硬化層の除去: 加工硬化層は、その後の加工に悪影響を及ぼす可能性があります。必要に応じて、研磨や熱処理などにより、加工硬化層を除去する必要があります。
  • 溶接部の外観: ステンレスは、溶接部の変色が目立ちやすいため、外観品質に注意が必要です。溶接条件や後処理を適切に行うことで、美しい仕上がりを得ることができます。
  • 腐食への配慮: ステンレスは、耐食性に優れた材料ですが、環境によっては腐食が発生する可能性があります。使用環境を考慮し、適切な材質を選択する必要があります。

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