技術コラム TECHNICAL COLUMN
SUS420J2(ステンレス)の切削加工における注意点
- ステンレス
SUS420J2は、優れた耐食性と硬度を持つマルテンサイト系ステンレス鋼です。そのため、精密部品や刃物など、幅広い分野で使用されています。しかし、その硬さゆえに切削加工には注意が必要です。この記事では、SUS420J2の特性を踏まえ、切削加工における注意点を解説します。
SUS420J2(ステンレス)とは?
SUS420J2は、JIS規格で定められたマルテンサイト系ステンレス鋼の一種です。主な成分は、炭素(C)、クロム(Cr)であり、熱処理によって硬度を高めることができます。
SUS420J2の主な用途
- 刃物(包丁、ナイフなど)
- 医療用器具
- 精密機械部品
- バルブ、シャフトなど
SUS420J2(ステンレス)の特性とその他のステンレスとの違い
SUS420J2の主な特性
- 優れた耐食性:クロム含有量が多く、錆びにくい
- 高い硬度:熱処理により、さらに硬度を向上可能
- 耐摩耗性:摩耗に強い
- 磁性:磁石に付く
その他のステンレスとの違い
- SUS304:オーステナイト系ステンレス鋼。SUS420J2よりも耐食性に優れるが、硬度は低い
- SUS440C:マルテンサイト系ステンレス鋼。SUS420J2よりも炭素含有量が多く、より高い硬度を持つ
SUS420J2(ステンレス)の切削加工における注意点
SUS420J2は硬度が高いため、切削加工にはいくつかの注意点があります。
適切な工具の選定
- 超硬工具やサーメット工具など、高硬度材料に対応した工具を選定する
- 切削速度や送り量を適切に設定する
切削油の使用
- 切削時の発熱を抑え、工具の摩耗を抑制するために、切削油を十分に使用する
- 適切な種類の切削油を選定する
加工硬化対策
- SUS420J2は加工硬化しやすい材料なので、切削条件を適切に設定し、加工硬化を抑制する
- 一回の切削で適切な切削量を確保する。
- 過度な切削熱を加えない。
熱処理後の加工
- 熱処理後のSUS420J2は非常に硬いため、より慎重な加工が必要
- 熱処理後の加工は、研削加工が推奨される
安全対策
- 切削時の切りくずは鋭利になるため、保護メガネや手袋を着用する
- 機械の操作方法を習熟し、安全に作業を行う
まとめ
SUS420J2の切削加工は、適切な工具の選定、切削油の使用、加工硬化対策、そして安全対策が重要です。これらの注意点を守ることで、高品質な加工を実現できます。