技術コラム TECHNICAL COLUMN
アルミのフライス加工とは?種類・特徴・加工のポイントまで徹底解説!
- アルミニウム
フライス加工は、工具を高速で回転させながら材料を削る「切削加工」の一種で、金属・樹脂・木材など幅広い素材に対応できる加工方法です。
本記事では、フライス加工の基本から加工の種類、アルミのフライス加工の注意点、さらに当社の実績について詳しくご紹介します。
フライス加工とは?
フライス加工とは、フライス盤と呼ばれる工作機械に工具(フライス)を取り付け、回転させながら材料を削る加工方法です。直線的な面だけでなく、曲線や溝、段差といった複雑形状の加工にも対応できるのが特長です。
主に以下のような材料に使用されます:
- アルミニウムなどの軽金属
- 鉄・ステンレスなどの金属素材
- 樹脂(プラスチック)
- 木材
フライス加工の種類
1. 平面加工
平面加工は、材料表面を均一に削って平らな基準面を作る最も基本的な加工方法です。エンドミルや正面フライスを使用し、安定した基準面を確保することで、後工程の精度を高めます。
2. 側面加工
側面加工は、材料の側面を正確な直角・平行に削る加工です。部品同士の組み合わせ精度や見た目の仕上がりに大きく影響するため、精度管理が重要です。
3. 段差加工
段差加工は、部品の一部を削り取り異なる高さを持つ面を作る加工方法です。組立や摺動面の形成、部品の軽量化を目的として使われます。
4. アリ溝加工・溝加工
エンドミルやTスロットカッターを使って、一定の幅・深さを持つ溝を削る加工方法です。スライド機構や重量軽減、排出機能などの目的で使用されます。
5. タップ加工・穴加工
フライス加工では、ドリルやエンドミルを使用して、穴あけ・ねじ切り加工(タップ加工)も行えます。座ぐりや大径穴など、ドリルでは難しい加工も可能です。
アルミのフライス加工における注意点
1. 切りくずの排出
アルミは軟らかく粘りがあるため、切りくずが刃に付着しやすい素材です。刃先に切りくずが溶着すると加工面が荒れやすくなるため、エアブローやクーラントで効率的な排出が必要です。
2. 熱膨張による寸法変化
アルミは熱膨張率が高いため、加工熱で寸法が変わりやすい特性があります。クーラントなどで温度管理を徹底し、寸法精度を維持することが重要です。
3. バリの低減
アルミは加工中にバリが発生しやすい素材です。シャープな刃先の工具や高回転・高送りの加工条件を設定することで、バリの発生を抑制できます。
4. 反りの抑制
アルミニウムは加工時に反りが起きやすいため、材料の選定・工具選び・加工条件の最適化が不可欠です。設計段階から反り対策を考慮した加工設計が求められます。
当社のアルミのフライス加工実績
金属・鋳物切削加工センターがこれまでに手掛けてきた、アルミニウムの切削加工事例をご紹介します。
産業機器用ジョイント

こちらは、産業機械用のジョイント部品です。サイズは55×55×50、材質はアルミ(A6061)となります。アルミの中でもA6061は加工性が良い素材であるため、要望通りの寸法精度±0.1を実現しています。一方でアルミは傷がつきやすい素材であるため、取り扱いには細心の注意を払いました。
電気設備用シールド

こちらは、電気設備用のシールド部品です。材質はA6061、サイズはφ120×75mmとなります。A6061は切削加工性もよいため、問題なく要求の精度を達成することができました。ただし、加工時にはアルミ特有の溶着が発生しないように細心の注意を払いながら、加工を行いました。
アルミニウムの切削加工のことなら、金属・鋳物切削加工センター.comにお任せください!
金属・鋳物切削加工センター.comを運営する株式会社ヨツ葉は、創業から長年アルミニウムの切削加工に携わってまいりました。その中で培ってきた技術・知見を用いることで、高精度な切削加工を迅速に行っております。アルミニウムの切削加工に関するご依頼をご検討中の方は、お気軽に金属・鋳物切削加工センター.comにお問い合わせください。