技術コラム TECHNICAL COLUMN
ロストワックス鋳造品の切削加工
- 鋳物加工
ロストワックス鋳造とは、精密鋳造法の1種です。砂型鋳物と比較した場合、ロストワックス鋳造は、寸法精度が高く、表面粗さが滑らかな製品を製作することが可能です。また、砂型鋳造と同様に小ロットに適した工法となります。
通常、このロストワックス鋳造で製作された製品には、追加工が施されます。追加工によりロストワックス鋳造で実現できなかった、高精度な加工を付加していくのです。今回は、ロストワックス鋳造品の切削加工における注意点を解説します。
ロストワックス鋳造品の切削加工における注意点
注意点①:ワークのチャッキングには細心の注意を払う
ロストワックス鋳造品では複雑形状の製品を製作することが可能です。そのため、ワークのチャッキング時に注意を払わないと、薄肉部分の歪みの発生につながります。そのため、ロストワックス鋳造品のチャッキング時には細心の注意を払いましょう。
注意点②:加工性が良好でないため、慎重に工具を選定する
ロストワックス鋳造品は、硬度・粘性が高く、切削加工が難しい材料といえます。通常の刃物を用いて、加工を行うと刃物の劣化が早く、思い通りの切削加工が実現できない場合があります。そのため、ロストワックス鋳造品では、切削工具の選定には工夫が必要です。専用刃物を選定することが最も重要であり、また、場合に応じては刃物の交換頻度を高めてみるとよいでしょう。
注意点③:切粉の巻き付きを防止するため、加工工程を工夫する
前述の通り、ロストワックス鋳造品は粘性が高い材料であるため、ドリルに切粉が巻き付きやすいです。こういった事態を防止・低減するため、上述の刃物選定に加え、加工条件・加工工程に工夫を施すことが重要です。
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