A6063（アルミニウム）の切削加工

当記事では、アルミニウムの切削加工を得意とする金属・鋳物切削加工センターがA6063の切削加工の概要と具体的な加工事例をご紹介します。

A6063とは？

A6063は、アルミニウム合金の一種で、6000系に分類されます。この合金は、アルミニウムにマグネシウムとシリコンを添加して作られています。そのため、寸法精度の高い製品が製造しやすく、建築材料、自動車部品、電子機器の部品など、さまざまな分野で広く使用されています。

A6063の特性

具体的にアルミニウムの素材としてどんな種類があるのか、またどんな特性があるのかを簡単にご紹介します。

耐食性に優れる

A6063は優れた耐食性を持っています。アルミニウム自体が自然に酸化被膜を形成し、腐食から素材を保護しますが、マグネシウムとシリコンの添加により、この耐食性がさらに強化されています。これにより、屋外で使用される建築材料や海洋環境での部品にも適しています。

加工性が良好

A6063は、アルミニウム合金の中でも特に加工性に優れています。切削、溶接、鍛造、押出しなど、さまざまな加工方法に適しており、複雑な形状の部品でも高精度に仕上げることが可能です。これにより、機械加工や製造業において非常に扱いやすい素材となっています。

強度が低い

A6063は優れた加工性を持つ一方で、強度は他のアルミニウム合金に比べて低いです。このため、強度が特に要求される用途には適していないことがあります。しかし、強度よりも加工性や耐食性が重視される用途においては、非常に有用な素材です。

A6063の切削加工における注意点

A6063は、A6061よりも柔らかいため、非常にキズが付きやすい素材です。そのため、加工時には工具の選定や切削条件に特に注意を払う必要があります。また、加工中だけでなく、取り扱い時にもキズが付く恐れがあるため、チャッキング（部品の固定）にも細心の注意が必要です。A6063は、その特性上、必ず表面処理を行うことが推奨されます。

さらに、A6063とA6061はどちらも、ドライ切削を行うと溶着のリスクが高まります。溶着は加工精度を低下させるため、切削加工時には必ずウェット切削を行うことが重要です。冷却剤を使用することで、加工熱を効果的に管理し、工具の寿命を延ばしながら高品質な仕上がりを実現します。

A6063の加工事例

産業機械用ジョイント

こちらは、産業機械用のジョイント部品です。サイズは、50×50×15mmで、精度は±0.1となります。当製品には、タップ加工、さらに半円加工が施されています。具体的にご説明しますと、半円加工を綺麗に行うため、部品へ穴加工を行った後半分にカットしています。

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