技術コラム TECHNICAL COLUMN
SUS316(ステンレス)の切削加工
- ステンレス
SUS316とは?
SUS316は、オーステナイト系ステンレス鋼の一種で、「18-8ステンレス」とも呼ばれるSUS304にモリブデンを添加したものです。モリブデンは耐孔食性を向上させる働きがあり、SUS316はSUS304よりもさらに耐食性に優れています。そのため、化学プラントや海洋構造物など、腐食しやすい環境で使用される部品に多く用いられています。
SUS316の特徴
優れた耐食性
クロム、ニッケルに加えてモリブデンを含有することで、塩化物イオンや酸などに対する耐食性がさらに向上しています。特に、孔食と呼ばれる局所的な腐食に強いことが特徴です。
優れた耐熱性
高温環境下でも高い強度と耐酸化性を維持できます。
高い強度と靭性
引張強度、耐力ともに高く、衝撃や振動にも強い特性を持っています。
良好な加工性
冷間加工、熱間加工ともに良好な加工性を示し、複雑な形状の部品にも加工できます。
SUS316の切削加工におけるポイント
SUS316は、加工硬化を起こしやすい材料です。切削加工を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
加工硬化への対策
工具の選定、切削速度、送り量、切込み深さなどを適切に設定することで、加工硬化を抑制し、工具寿命を延ばすことができます。
切り屑処理
SUS316は粘り強いため、切り屑が長くつながりやすい傾向があります。適切な切り屑処理を行うことで、加工の安定化と品質向上につながります。
熱対策
SUS316は熱伝導率が低いため、切削時に発熱しやすい材料です。クーラントを効果的に使用することで、工具やワークの温度上昇を抑え、加工精度を維持することができます。
SUS316の用途
- 化学プラント:配管、バルブ、ポンプ、タンクなど、耐食性と耐熱性が求められる部品に利用されます。
- 食品加工機器:調理器具、タンク、パイプなど、衛生面への配慮が必要な部品に利用されます。
- 医療機器:手術器具、インプラント、人工関節など、生体適合性と耐食性が求められる部品に利用されます。
- 海洋開発:海洋構造物、船舶部品、海水淡水化プラントなど、耐海水性が求められる部品に利用されます。
- 建築材料:外装材、内装材、屋根材など、耐食性と耐候性が求められる部品に利用されます。
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